俺にできることから


俺がトレードを6年近くやってきて、一度も年間でプラスになっていないのは損切の遅れが主たる原因だ。「損切は大事」これはトレードを始める際、一番最初に理解したはずだった。

にもかかわらず、何度も何度も同じことを繰り返してきた。その度に自分を卑下し、理解力を疑い、自己否定。時間をおいて冷静さが戻ってきたら「ここでこうすれば良かったのか」とそれなりの納得をし、「次はできる」と思う。しかし、できない。

延々と続くループ。だが今、ここから抜け出す時が来たのだと確信している。

「今、俺はどういう状態か」不安症を改善するための認知的な取り組み。これが図らずもトレードにおける鍵を与えてくれた。切るか否か、切迫した局面。まさにこの瞬間の自分の脳の状態に初めて意識が向いたのだ。

俺の脳は瞬間瞬間に動くチャートや板の情報から多様な想定をしようと試みていた。そしてその想定の中には、「自分が切った後に逆へ動く」という想定も含まれている。これが大きかったのだ。俺の脳はこれの現実化を強く恐れていた。俺の脳にとって、切るという選択は恐怖の現実化の入口に自ら進むことと同義であった。切れるわけがない。俺の戦略に対する理解力が原因ではなかったのだ。

このメカニズムに気づいて、俺の損切は飛躍的に成長したと思った。しかし、成長は確かだが、まだ十分ではなかった。

メカニズムが分かったところでその脳の状態に一度入ると決断が鈍るのだ。そして生きたマーケットはそれを的確に突いてくる。もう一歩どうすればいいのか・・・。

分かっていてもできないのならば、逆にできることから組み立てていく。これが俺の出した結論だ。教科書通りの方法ではなく、俺にできる方法。俺にできることは俺にできることだけなのだ。そう考えてみると、そもそも損切ではなく、リスクの限定という概念が俺にとっては重要だった。値動きだけでなく、俺の脳の状態をも含めてのリスク。

俺は今後、脳が恐れの状態に入る前に撤退という、教科書的には意味不明であろう方法をディフェンス面で採用する。これが俺のトレーダーとしての成功の力強い一歩であったことを結果で示す。

資産20万 負債250万 将棋倶楽部24レート2100


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